僕の中の乞食が大人買いの邪魔をする

ほとんどYouTubeを見ないのだが最近ハマっている動画がある。
二コツさんという方が不定期でアップしている遊戯王カードの対戦動画だ。

遊戯王は僕が小学生の頃に流行っていたカードゲームで、日常の思考は9割以上は遊戯王にもっていかれていた。
どうやったらレアカードが当たるかとか、どうやってデッキを組めば良いかとかばっかり考えていたし、家で遊ぶ時も外で遊ぶ時も友達が2人揃えばデュエルがおっ始まった。まさに世紀末だった。

今思えばカードで対戦することを「決闘」と書いて「デュエル」と呼ぶのはかなりイカれてると思うのだが、当時はそんなこと思うはずもなく、ゲーム開始の合図にお互い「デュエル!!!」と叫んでいたし、好きな子が近くに居ようもんなら、さらに声を張り上げてアピールした。

「強いデュエリスト=モテる」と多くの男子が勘違いしていたが、誰も止めるものは居なかった。

止めて欲しかったし「そんなことしてもモテないから速く走れるように頑張れば?」と誰か教えて欲しかった。

 

遊戯王には色々な思い出がある。

小学4年の時に5年生の高橋くんが持っている「ブラック・マジシャン」がどうしても欲しくて、お互いのレアカードを賭けて戦い、ボロ勝ちしてしまい、泣き喚く高橋君からブラック・マジシャンを取り上げたことが保護者会で問題になったこともあった。
当時はめちゃめちゃ怒られたが、デュエルで負けてカードを取られるのは当然だと思っていたので、「高橋はデュエリストとしてカス中のカス」ということを学校で上下の学年に言いふらしたことで高橋君がまた泣き喚き、これまためちゃめちゃ怒られた。(今思うとこっちは別に怒られなくてもよかったんじゃないかと思う。

ブラック・マジシャンは最高に格好よかった

 

他にも遊戯王の大会に出て地元予選を勝ちぬき、全国大会への切符を手に入れたにも関わらず、母親から「カードゲームのために東京行くとか阿呆ちゃうか」とごもっともな意見で一蹴され、1ヶ月母親と口を聞かなくなったり、弟がレアカードを当てた時は無茶苦茶な理由で取り上げるというグールズもドン引きの悪行を働いたこともあったり。

ちなみにグールズは原作に出てくるレアカードハンター集団。一方的にデュエルを仕掛けて来て負けたらレアカードを取られるという、原作内のルールに則ってゲームをするそこまで悪質でもない悪者たちのことだ。

とにかく小学生の頃の頭の中は、遊戯王9割:好きな女の子1割くらいだった。

 

今は流石にカードゲームはやらないし、やってくれる友人も居ないが、冒頭に挙げたニコツさんの動画を見ると本当に懐かしい。
遊戯王は現在も全世界で大流行中で今なお種類が増え続けていて、ルールも複雑化しているため、もう付いていけないのが少し悲しい。

しかしニコツさんの動画内では、まさに僕たちが小学生当時に使っていたカードや原作で遊戯や海馬、城之内君が使っていたカードを当時の猿でもわかる何でもアリルールでやっているのが最高にグッとくる。
やっぱりブルーアイズは格好いいし、ブラックマジシャンガールは可愛いのだ。

ブルーアイズかっこええ…

 

そんな動画を見ていると、遊戯王の漫画を読み返したくなってきた。
もちろん遊戯王の漫画は持っていたのだが、コンマリパイセンよろしく断捨離にハマっていた時期に売却してしまい現在は手元にない。
残っていたとしても全38巻(文庫版は22巻)は場所を取りすぎてしまいどのみち妻にBOOKOFF行きを命じられてしまう。

 

そこでKindleで全巻一気買いしたろ、と考えた。これなら場所も取らない。

妻に怒られずに遊戯王が読めるし、Kindleを素知らぬ顔で読んでいればむしろ「読書家!インテリ!キュン死に!」となることすら予想される。
我ながら天才だった。
天才的なアイデアを実行するためにAmazonの全巻まとめ買いページまで来た。

しかし様子がおかしい。全然「いますぐ購入する」のボタンが押せない。
頭ではわかっている。これを買えば、小学生のあの頃に戻れる。遊戯のブラックマジシャンに憧れ、ペガサスのトゥーン・ワールドに恐れ慄き、海馬のかませ犬感にほっこりしたあの頃の気持ちに戻れることがわかっているのにどうしても¥15,660の金額を目の前にすると、
まるでサウザンド・アイズ・サクリファイスの効果が発動してるのでは、というくらい身体が動かない。

 

他の記事で何度か紹介しているように僕は社会人になってから、金の亡者と化し「リアル乞食もそこまでせんやろ」というくらいの乞食っぷりを発揮していた。
その甲斐あって30歳になる前に少しはの財産を蓄えることが出来た。

 

欲しいものを欲しい時に買えるように、したいことをしたいときに出来るようにお金を貯め、収入源を増やしてきたはずなのに、いつの間にか「欲しい!」と純粋に思ったものすらコスパとか資産性とかしょうもないことを考えて買えない悲しい生き物になってしまっていたのだ。

悲しすぎる。そう言えば、妻が行きたいと言ったレストランや海外旅行を幾度となく鬼の形相で止めてきただろうか。

きっと妻は僕と楽しい時間を過ごしたかっただけだろうに、そんな妻からすると僕はなんと悲しい生き物、いや「モンスター」に見えただろう。

 

最近は「節約して資産を増やしてセミリタイア〜☆」的なブログが流行っている。

確かに無駄なものは出来るだけ買いたくないし、人間の欲には際限がないからどこかで歯止めはかけないといけない。

でも、たまに欲しい!と思ったものくらいは衝動的に買ってあげてもいいんじゃないだろうか。それで後で後悔してもいいんじゃなかろうか。だって人間だもの。

ということで決意が固まった所で男らしく、「次にGoogleからお小遣いが貰えたら遊戯王全巻買おうと思います!」宣言をしたのですが、妻からは「いや、新しい炊飯器買ってくれな」 と言われて玉砕しました。

 玉砕しました。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください