お盆前の8/6~8/8に税理士試験がありました。まだ税理士試験2年目ということもあり、年に1度の祭りのような感覚で、今年は昨年の簿記論に続き財務諸表論を受験してきました。
手ごたえはある程度あったものの、ケアレスミスがちょこちょこ見つかって昨年の簿記論同様、ボーダーのちょっと上、くらいの自己採点となっていて、あとは4カ月間、神に祈りつつ、税法科目の選択と年明けから始まる繁忙期までにある程度、基礎レベルを終えることを目標にコツコツ勉強していこうと思います。(8月はとりあえず遊ぶ…!!
さて会社でも税理士試験に挑戦している同僚がいるのですが、僕と同じく簿記論や財務諸表論に挑戦している方が数名居て、結果発表までサラッと次の科目にいくか、会計科目を続けつつ税法にシフトするか、日商簿記1級に挑戦するか悩んでいる後輩がいました。
僕は日商簿記1級を保有してから税理士試験に挑戦しだしたのですが、中には日商簿記2級→税理士試験の簿・財にシフトしている方も多い印象で、その後輩も正に簿記2級→簿記論チャレンジでした。
税理士しか見えない!という方には日商簿記1級は遠回りのように思えますが、今年簿記論か財務諸表論のどちらかを受験して、来年別の会計科目を受験する予定がある方は11月の日商簿記1級にチャレンジしてみてはどうでしょうか?というのが今回の記事の趣旨です。
勉強癖がついている
「試験」と言う区切りはあっても「勉強」に終わりはないと僕は思っています。ただ冒頭に(8月は遊ぶぞ…!)と書いたように人間だれしも試験が終わったら、一息入れたいものです。
しかし勉強に関して一番脂が乗っているのが試験終わりで、税理士受験生なら正にいまが一番脂が乗っています。
試験直前期の勉強量を考えれば1日1~2時間の勉強なんて屁のつっぱりにもならないでしょう。
つまり「勉強癖」がついている状態で、この状態をキープしない手はないのです。
1度勉強から完全に離れてしまうと、エンジンをかけ直すのにとても時間がかかります。ただし結果発表までは悶々としてしまう。そういう方が多いと思うので、まだ簿記1級を取得していない方は3か月間、日商簿記1級を目標にして勉強を続けてみましょう。
僕も遊ぶぞ!と言いつつも来年受験する消費税の入門書を読んだり、英語の勉強をしたりと、試験がおわってからも毎日1.5~2時間程度は勉強時間を確保するようにして、完全にはエンジンを切ってしまわないようにしています。
商業簿記・会計学はほぼノー勉で合格点までもっていける
簿記論あるいは財務諸表論を受験し、ある程度本試験も戦うことが出来た、という方は商業簿記・会計学はほとんど勉強せずとも合格点まで持っていくことが可能です。
「日商簿記1級と税理士試験の簿財のどちらが難易度高い問題」はずっと昔から言われてきた話で、職場の意識高い同僚たちともたまに議論になりますが(暇)、「管理会計が得意・好きかどうかが問題」であり、ほとんど範囲のかぶっている商業簿記・会計学については日商簿記1級のほうが難易度は低い、という結論に至ります。
この問いに正解はありませんし、試験時に出される問題にもよりますが、簿財である程度闘うことが出来る方はかなりアドバンテージがあることは間違いありません。
また、簿記力を維持させるという意味でも結果発表まで完全に会計科目から離れるよりは日商簿記1級の答練に週1~2回触れることで独特の勘をにぶらせないことにも、簿記1級は一役買ってくれます。
工業簿記・原価計算は暗記項目が少ない
簿記1級vs簿財の難易度は工業簿記・原価計算の好き嫌いで決まると考えていて、某大手予備校の先生も同様のことを仰っていました。
簿記1級の工原はたしかにレベルが高いのですが、簿記2級のレベルを少しupさせたものがほとんどです。
1級から完全に新しく登場する範囲は「意思決定会計」と「企業予算編成」の2つがメインで、他の個別原価計算・総合原価計算・標準原価計算などは2級を受験したことがある方は見覚えのある範囲だと思います。
原価差額分析の分析項目が増えたり、計算が複雑になったりはするのですが、新たに覚えなおさなければならない項目は少なく、すぐに計算練習に取り組むことが出来ます。
税理士試験の簿財を受験されている方の多くは日商簿記2級を取得されているはずです。(予備校のカリキュラムに入っているところもあります)
そのため、工業簿記についても完全に新しい項目を勉強する、というわけではなくある程度基礎知識があって、そこに少し知識を積み上げてあげる、というイメージです。
工業簿記・原価計算は出題パターンもある程度決まっているため、答練を中心に勉強するのが良いでしょう。直前期だけ数万円をO原に課金するのも個人的にはアリだと思っています。
日商簿記1級は難しい?働きながら半年で2級レベルから1級合格レベルまで到達するために必要なこと。工業簿記・原価計算が高得点のポイント。
転職・就職でかなり評価される
僕が日商簿記1級の取得を後輩たちに強くおススメしている理由がこれです。現在、税理士事務所で働いていて、税理士にしかなりたくなくて、将来は税理士として独立するんだ!という方にとって簿記1級はたしかに少し遠回りで、そんな方には簿記1級よりも税理士試験の簿財合格の方が価値があると思います。
しかし僕のような企業の経理マン、ひいては就職・転職市場では異なります。経理をやっている方の多くは簿記2級を取得していて、企業の管理職の人も「簿記2級くらいはね~」と言う方が多いと思います。
また経理でなくとも2級であれば営業の業績管理をしている人でも持っていたり、経理としての専門性という意味で簿記2級はかなり弱いのです。
簿記2級だけで転職市場に出ると、それだけではあまり武器にならず+実務で、「連結できます、IFRSできます、原価計算できます」などがないと少し厳しい印象です。
また税理士試験の簿記論・財務諸表論と言うのは、知っている人にとっては凄いことは伝わるのですが、意外に評価されません。
転職エージェントによると、税理士法人なら別だが、企業の経理だと、簿財合格は税理士試験の「科目合格」であって、資格としてはインパクトが弱いそうです。(悲しみ…
企業の応募要項には応募要件に<必須要件>として2級が記載されている一方、<歓迎要件>として公認会計士・税理士と並んで記載されていることも多く、それだけで「会計のプロか」という印象を与えることができ、他の候補者より一歩も二歩も先んじることが出来ます。
誤解を与えたくないのですが、簿記論・財務諸表論をある程度勉強したからと言って簿記1級は簡単に合格できる、というわけではありません。簿記1級も合格率は10%程度で、そんなに甘い試験ではありません。
しかし税理士試験を終えて、一番脂の乗っている状態であれば簿記力の維持、就職・転職時の評価upも兼ねて勉強を続け、12月の結果発表を迎えるのはとても有意義なのではないかと思います。
Tchau!!
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