【書評】定年を迎えた父親から借りた『定年後』は現役バリバリ世代こそ読むべき

お盆だから、というわけではないが実家に帰ってきています。

僕の父親は昨年定年を迎えて、現在は再雇用として定年を迎えた会社で週3~4日ペースでゆるゆると働いています。

そんな父親からなぜか『定年後50歳からの生き方、終わり方』(:楠木新)という本を渡されました。

「おいおい、定年までまだ30年以上あるんですけどww」と思ったのですが、僕も30近くなったので親の言うことも素直に聞いてやるのが息子の役目だと思い、「サンキューな。」とクールに受け取りました。

 

かなりクールだったと思います。

 クールに受け取って喫茶店でペラペラ読んでいたのですが、思った以上に内容がよかったのでブログに記載しておかねばなるまい、と思い、現在タイピングしております。親父…ええ本渡すやん…。

ちなみにAmazonで中古1円で売っていたので気になった方はどうぞ。

定年後は思った以上に長い

人生100年時代と言われる昨今ですが、2013年に企業に再雇用制度が義務付けられたと言っても、定年は60歳で寿命に対して定年後は長くなってきています。

60歳で定年を迎え、男性の平均寿命83歳まで生きるとして20年、医療の進歩とともに徐々に平均寿命は延びているため90歳、あるいは100歳まで生きると30~40年程度の「定年後」があります。

40年というと、それこそ企業に勤めていた現役期間と同じか人によってはそれより長い定年後が待っている、ということになります。

定年を迎えて悠々自適♪にしては長すぎる期間が待っているのです。

自由になるお金がすくない

定年を迎えて悠々自適♪というと身を粉にして歯を食いしばってムカつく上司の無理な注文に笑顔で答えている若手にとっては、なんて羨ましいんだ…と思うかもしれません。

しかしながら収入のアテが基本的に年金しかない定年後であれば、「ひまだし温泉でもいくか~」とか「ちょっくらスイスの絶景でも見に行きますかな~」など優雅なことが出来る定年退職者はほんの一握りでしょう。

年金だけでは2,000万円たりない問題が取りざたされていますが、年金だけでは孫の顔を見に毎週飛行機に乗ったり、温泉に出かけたり、ということは難しいのは今の年金生活者も同様で、僕たちの時代ではそれがより顕著になることが予想される、というのが現状です。

金融庁「2000万円」報告書に隠された「年金70歳から」の狙い (出典:Livedoor News)

 そういった意味で定年後は余りある時間があるものの、自由になるお金が少ない、ということから、普段の出かける場所ややることと言えば、図書館・公園・家でテレビを見ながら奥さんにウザがられる、などになってきます。

そしてこれが20~40年ほど続くことを考えると、精神的にかなり荒んでしまいます。

上司にドヤされながらもサラリーマンをやって、同期と飲み屋でグチグチ言っていたほうが精神的にも健康にもいいのではないか、ということです。

実際に僕の会社でも定年を迎えた社員がそのまま辞めることは少なく、出来るだけ再雇用として残り、その後も人によっては70歳くらいまでアルバイトとして働き続けることもあります。

 

今までは、定年を迎えてやっと会社から解放されて、ある程度年金も貰えるはずなのに会社に来るのか意味がわからんと思っていました。

特に僕のいる会社は割と大きな会社で厚生年金に企業年金もついてきて、毎週は無理でも月に1回温泉、年に数回は海外旅行に行けるくらいは年金を受け取れそうな試算にも関わらずです。(経理なのでそういう試算だけはよくやります…)

 しかしながら、余りある時間とあんまりないお金を考えると出来るだけ会社にしがみつくのも、選択肢としてはアリか…と思ってしまいますし、筆者も何もプランがない人は出来るだけ再雇用に応募するように、と著書の中で述べています。

 

定年後問題に対する解決策はあるか

定年後の問題は精神面と経済面の豊かさに起因します。

定年後に行くところもなく、家族からはウザがられ、外に出てもお金はない、といった想像するとなかなかグッと来るものがある状況です。

経済的な豊かさ補填するためには、やはり定年後も働き続ける、ということが重要です。

再雇用やアルバイトでもいいので、今まで働いてきた会社で働き続ける、という選択肢は悪くありません。

勝手を知っていて、困った時は社内の知り合いに相談できて、新しいこともあまり覚えなくてもよくて、というとゆるく働く環境としては悪くありません。

 また、本の中にも出てきますが前からやってみたかったコンビニのアルバイトや、現役中に取得した資格を活かして社労士として働く、土日に参加していたNPOで職員として雇ってもらう、などといった選択もあります。

 

働く以外にも現役時代から、コツコツと高配当の株に投資したり、不動産を買い進めたりすることで所謂「不労所得」を蓄積するのも経済的豊かさを補填することに繋がります。

実際に僕もガッツリ高配当株投資を行っているわけではありませんが、入社当時からコツコツと株式を買い進めて今では年間40万円程度の配当金を受け取ることが出来るようになっています。

途中でリセッションや減配などもあるでしょうが、分散投資を心がけることで、厚生年金や企業年金だけでなく配当や家賃収入など「自分年金」を作ることが出来ます。

 

一方精神的な豊かさを補填するためには、やはり何かコミュニティに属することが必要です。

偏見かもしれませんが、女性はこれが結構得意な傾向にあるそうで、趣味や友人とのつながりなど、仕事をしつつも仕事一辺倒にならずに別のコミュニティでも関係性を保ち、定年後もそれを継続させることが出来ます。

男性はと言うと、仕事しかやってこなかった!という人が多い傾向にあり、定年度突然なにか始めろと言われても難しく、結果として公園や家のテレビの前に向かってしまうことが多くなるようです。

孤独は健康に著しい悪影響を及ぼすとも言われています。

会社であれば、隣の席や違うフロアの同期や先輩・後輩と話して、自己認知を保つことができますが、定年後に家族との会話も少ない、という状況であれば精神的にも参ってしまいます。

現役時代から仕事以外の趣味や自分の役割のあるコミュニティを探しておくことは健康にも精神にもよい効果をもたらすでしょう。

 

豊かな老後を迎えるためには現役時代から準備を

定年後の経済的・精神的に豊かさについて記載しましたが、これらはいざ定年!となってすぐに解決できるような問題ではありません。

今は再雇用が義務付けられていますが、令和の時代には日本No.1時価総額を誇るトヨタの社長と日本経済界のトップである経団連の会長が揃って「終身雇用はもう無理っす!」と宣言しました。

無事に定年を迎えることができるかわからない時代に定年後も働き続けようと思うと、企業が欲しいと思う能力が必要になります。

そしてそれは一朝一夕では身に付きませんし、より稼ぎの良い職に就きたい、と思えばそれだけ鍛錬が必要でしょう。

 

仕事以外のコミュニティを作るのも出来るだけ早い方がよいでしょう。

年齢を重ねてから新しいコミュニティに入っていくことは精神的にも負荷がありますし、そのコミュニティで自分の役割や居場所を見つけるためには、そのコミュニティに何かしらの貢献をしなければなりません。

年齢を重ねてしまうと、どうしても物事の上達や覚えのスピードは鈍化してしまうため、そういった意味でもまだ馬力のある現役時代から何かのコミュニティに属しておくことが望ましいです。

 

良い定年後を迎えるためには、現役時代から準備を重ねる必要があります。

本書の冒頭に出てくる著者の知人の神沢さんは、よい条件で再雇用されると思っていたのに、社会保険のないアルバイトとしての再雇用を会社から言い渡されます。

「冒頭からキッツ…」と思ったものの、自分が定年を迎える時代は、より競争が厳しくなっていて、場合によっては無事に定年を迎えられるかもわかりません。(そもそも定年制度が存続しているかも不明です。欧米では年齢差別だとして定年制度は存在せず、能力主義で職に就けるかどうかが決まります)

 そんな時代に豊かな「定年後」を迎えるためには、現役時代からの準備が必要になりますし、それを意識しながら今を働くことでまた別の視点も得られるのではないかと思います。

定年を迎えた父親から定年までまだ時間のある息子へのメッセージかな?いや、あのトボけた父親に限ってそれはないか、と思いつつ。

↑「定年後」が流行って味を占めたのでしょうか。続編的なものが出ていました。買いました。(中古で52円やで

 

Tchau!!

 

 

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